折々の水木ファン−其之弐−

この話は、ある水木ファンの折々の言動を描いています。
水木作品のファンの方でなくても読めますが、ファンの方にしかわからないネタだと思われます。


ではどうぞ。

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鳥が囀る朝。


その日、Aは道を急いでいた。
理由は簡単。
このままだと会社に着くのが出社時間の9時ギリギリだからである。

A:「うっわ、ヤベーな…」

誰に言うでもなく呟きながら、Aは半ば小走りで道を行く。
Aの会社は、徒歩で行くと駅からの距離は遠くないとは言え、狭い道を通らなければならない。
いっそのこと一通にすれば良かろうと思われる程の狭い道ばかりだった。
そして時間は朝。
通勤でごった返しているのは必然といえる。
人も車も急いでいた。


小走りの会社員A。
そこに
狭い道ながらも急ぐ車がすれ違った。


 バンッ…!!
A:「うおぁっ?!」


お互い、避け得ると思っていたのだろうが、車のサイドミラーとAの肩が接触したのである。
A:「……………。」
ヒリヒリするAの右肩。
が、それだけで別に何ともない。
車の方も無視して通り過ぎた。
Aも会社に向かった。心の中で叫びながら。


A(心の声):(だから首相に道路のはばを広げろといっているんだ!!!)



そして会社員Aは、何故か、両手足をぺらんぺらんさせながら走って行くのだった。


朝からこれかよ、水木ファン?!

(了)


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