十三夜のまま満ちて・あとがき


 2024年もちだぬ様発行の『若者には負けんゾイ!』に寄稿させていただいた話です。

 マトリフ師匠をメインに書いておりますが、彼と同じくらいのご長寿ファイターブロキーナ老師といい、ダイ大は…というか日本の創作世界の風潮として、お年寄りが実はめちゃくちゃ強いという展開が多いと思います。現実にはどうしたって若い人のほうが体力気力が強いことがほとんどですけれど、日本は中国の儒教とか老荘思想の影響があるんだろうなと感じます。それに自分に照らし合わせて考えてみても、老いても出来るだけのことはしたいと考えますから、作品世界の中だけでも「実は強い老人」って憧れますね。
 でもそれでも限界はあるわけで。
 師匠と老師はもう大魔王バーン戦のとき既に限界を迎えていると山ノ内は思っております。なので、書いてる話で『大戦から三年後』となっている舞台では師匠はもう帰らぬ人になっていますし、老師はおそらくまだ存命くらいの匂わせで書いております。逆に言うと、ダイ大の続きの舞台が五年後らしいので、ポップは20歳、マァムも21歳です。そんな大人になっても師匠たちに「頼れる大人」を演じてもらってはいけないと思うんですよね。どうしてもって時でも知恵を出してもらう程度で済まさないと。
 御本のタイトルに反するようなこと書いてますが、それでも、乗り越えてきた場数・経験、何より弟子や関わってきた人々への愛情という点では決して誰にも負けない先人二人。
 その辺りを書いた話になりました。
(終)
(25.09.15UP)


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