箱庭を照らす月光・あとがき


 Twitterにてお世話になっている方への御祝いの品としてご用意したものでした。
 初のアバン先生×ポップにチャレンジ。という自分でも一種記念の作品となりました。あきらかなBLは、これの前にバーン×ポップの三部作を書いたのみですので。他はBLを匂わせてもブロマンスでも解釈できるものばかりでしたし。
 身体の関係があったかどうかはともかくとして、弊サイトでのアバン先生の長い旅の理由は、こちらに書いた通りの設定にしております。
 勇者アバンが女王の婿になったとして、傀儡になってくれるような性格ではないと、重臣連中は分かっていると思いますので。それに、ただでさえ女王ですので、次代の種には傍流であっても王家の血が欲しいと思われているはず。
 愛する人とは結ばれる事が(この時点では)許されない。
 一緒に旅に出た、一番の親友は早世。
 アバンにはポップのような、素直に懐いてくれる子というのは本当に救いになったと思います。
 対するポップは原作でもそうですが、かなり劣等感を持っている少年です。あれだけ他人を思い遣れるのだから、決して愛情に飢えて育っているわけでもないのに。家出をして先生について行った後も、あの先生が邪険にするわけがないし。
 ですが、それでもあの性格。お調子者で散々失敗してきてそれで揶揄われたりして内省しまくったのだとしても、あんな風に自分に自信がないとはならないのではないかと思っていました。
 村での生活は完全に想像でしかないですが、親の期待に応えられず、かと言って違う道も見つけられず、となると村では結構肩身が狭かったのではと思いました。そうでないと、あんなに臆病なのに家出までするだろうか、と。どこにでもよくある悩みではあっても、本人にとっては一生心を苛むものだというのはよくある話です。
 そのような解釈を膨らませて、このようなお話に。

 ひと夜限りの事です。多分、きっと。 



(2021.07.20.サイトに再掲。ポイピク様にも掲載。)



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