あとがき
か…書けました……。今回、今迄になく難産でした。
文章を書く調子が出てきた途端、リアルで問題が起きるという事が繰り返され、しかもUP出来そう! となった今日なんかは一回データがとんでしまい、PCに嫌われてる感じがひしひしと……(泣)
山ノ内の癖のようなものですが、今回は特に心理描写が多いです。前作の『繕う』も多いですが、今回はポップとマァム二人分ですので……。
特にマァムが難しかったです。彼女は以前に拍手御礼SSでも書いたとおり【綺麗】だけど、それでもやはり人間ですから、ドロドロした嫌な面も持ってるはずなんですよね。しかし、原作でそういった事が書かれていないので、どんな風に彼女を「人間」として書けば彼女らしくなるのだろうかといつも迷います。ひょっとしたら、読者様の中には、山ノ内が書くような彼女は受け付けられない方もおられるかもしれませんが…まあそこは目を瞑って頂きたいです。
原作が「勇者が魔王を倒す」という一つの流れを軸にしているというのに、明らかに戦闘向きでない属性を与えられた彼女は、連載当時から読者の好き嫌いが別れるタイプのキャラでした。しかも慈愛というのは話の中では博愛主義みたいなところがあって、その描き方は読む人によっては偽善・綺麗事に映ったようです。いまでも言葉一つに揚げ足を取って彼女の存在自体を貶すような、さもしい人もいらっしゃいますしね。
山ノ内は、偽善だろうが綺麗事だろうが、そういう事を必死で実践してる人を小馬鹿にして、「人間なんて所詮こんなものなんだから仕方がない」と開き直る方がイヤラシイと思ってますので、何とかマァムの属性に人間らしさを肉付けしつつ、なお【綺麗】なキャラであるように書きたいなと思うんですよ。そういう意味で、メルルの事に今回言及させました。
そして今回はポップにも悩んでもらいました(笑)
今回の話は、実はいつも来てくださってる方のリクエストで生まれました。マァムが『手』で悩んだから、ポップが悩んだらどうなるのかというご依頼。なので、その方に関係のある言い回しを、ラストの方で使ったりしています。ご期待にそえてれば良いのですが……。
彼、コンプレックスの多い青年ですから、マァムに自分が釣り合うのかと、心の底では常に自身を疑っています。自分より条件のいい男性がマァムの前に現れたら、あんなもんだと思うんですよね。彼の財産は取りも直さず魔法ですけど、その才をひけらかして彼女にアピールするのは無理ですし。
そんなわけで、大なめくじに負けたメタスラのようになって頂きました。メタルスライムが大なめくじにスピードで負けたら、あり得ないほど凹むだろうなという想像からうまれた、魔界の比喩。解説はどうでもいい。何だかバーンがキューピッド役ですが、まぁ彼から見ればポップとマァムの二人の恋愛なぞ痒くて仕方がないものですが、上手くいっていないようだとそれはそれで落ち着かないという感じで後押ししてもらいました。
とにかく、読んで下さった方々のポプマの糧になればいいなと思います。ご感想および、ご意見ご批判お待ちしております。
更新停滞中も、応援して下さった皆様、本当にありがとうございました。次回作はもうちょっと早めに上げられるように頑張りますね。
('10.10.27UP)
