ダイの大冒険 おまけSSS

会話文シリーズ『女王陛下と大魔道士殿』





「『可愛い』って言ったら?」
「んー…そうだなあ…女の子って俺から見ると大概可愛いと思うんだけど…。ザ・可愛い娘さんっつうと………ああ、ミーナなんかがそうなるのかな。姫さんも知ってるだろ?」
「ああ、あの娘ね。ネイル村の、マァムが可愛がってる」
「そうそう。いい子だよ。あの村、女の子が少ないから、もうすぐモテモテになるだろうな」

「なるほどねぇ。じゃあ、『綺麗』は?」
「これは、俺の中では多いな。まず姫さんだろ」
「あら、光栄だわ」
「マリンさんやエイミさんも綺麗だと思うし、メルルもそうだな。ああ、でも、エイミさんは綺麗より先に情熱的って感じか。メルルは清楚だな。あと、フローラ様も」
「付加価値が付くわけね」
「あえて細かく分ければな。ちなみに姫さんは、凛とした美人だな」
「大魔道士様にお褒め頂きまして、恐縮ですわ」
「いやいや。こちらこそ、いつも目の保養をさせて頂きまして」

「じゃあ次ね。『優しい』は?」
「ああ、それは――――――」



「………ねえ」
「うん?」
「色々名前を挙げてくれたけど、ポップ君の一番大切な女性の名前が入ってないんじゃない?」
「何だよ姫さん、その目は…」
「…まさか、マァムの事、忘れてたわけじゃないでしょうね?」
「あのなあ…」
「何よ」





「当たり前の事を、なんでわざわざ言わなきゃいけねえんだよ」





「………………。」
「おい? 姫さん?」
「………………。」
「何だよ、何を怒ってんだ?」
「…別にぃ」

(終)

('11.01.04 再掲)